ハンケイ5m

美術作家×芸人アーティストがコラボ、「人を楽しませたい」ポジティブなアートに京都で触れる。

京都初の絵画展を開催するコラボユニット「HiroGeTai」美術作家・佐藤紘子さん、芸人アーティスト・たいぞうさん

■「作風も性格もちがう2人。 でも、『人を楽しませたい』気持ちは同じ」

日々の生活の中で見つけた素材をテーマに絵を描き続けている美術作家の佐藤紘子さんと、吉本興業の芸人アーティストで大阪府障がい者芸術・文化大使も務めるたいぞうさんのコラボユニット「HiroGeTai (ひろげたい)」の絵画展が10月2日から、京都市下京区の烏丸京都ホテル1Fにあるハンケイ5mショップで開催されている。京都では初めてとなる今回の絵画展は、初公開となる新作を中心に十数点を出展。思わず笑顔が広がるような、2人の個性が調和したポップでポジティブなアート作品との出会いを届ける。絵画展の開幕を前に「HiroGeTai」の佐藤さんとたいぞうさんに、作品に込めた思いを聞いた。

コラボユニット「HiroGeTai」の佐藤紘子さん(右)と、たいぞうさん(左)

――大阪を拠点として関西で活躍されている佐藤紘子さんとたいぞうさんのお二人がコラボユニット「HiroGeTai」を結成されたきっかけを教えてください。

たいぞう:昨年12月に大阪上本町の近鉄百貨店で、僕とコント集団「ザ・ニュースペーパー」の福本ヒデさん、 佐藤紘子さんの絵を集めた「3人展」 という作品展を開いたんです。それをきっかけに色々、作品にまつわる深い話もするようになり「次はユニットで、一緒にしたいですね」とお誘いしたんです。

佐藤:私は京都市立芸術大学大学院修士課程で油画を専攻し、美術作家として活動してきました。「見た人みんなが笑顔になるような、子どもも大人も楽しめる絵を描くこと」を大切に絵を描いています。たいぞうさんとは、絵に関するバックボーンも作品の個性も全然違うんですが、「人を楽しませる」という部分で共通するものを感じました。

たいぞう:僕は芸人出身なので、人を笑顔にしたり、楽しんでもらいたいという気持ちはすごく強いです。紘子さんの作品は、絵から「キャラ」が出ているのがすごい。紘子さん自身が出る作品を描いているから、見に来た人が一発でファンになるんですよ。お笑いで例えるなら、ライブがちゃんとできているということ。僕も紘子さんの絵に出会うまでは、自分の絵を見に来てくれた人にしゃべりかけて、「とにかくファンになってもらおう」と思っていた部分もあったんですが、今は「まず絵を見てもらおう」と考えが変わりました。

佐藤:私は逆に、しゃべりが苦手なので。「私としゃべるより、作品を見てくれ〜」みたいなところがあります(笑)。

《何事もタイミング》
■人生は波がある。それも含めて絵を描くことを楽しみたい。

――なるほど。お二人の作品も性格もお互いに違うタイプだけれど、絵に込めた思いの部分が共通しているからこそ、ユニットとして活動することで新たな可能性が開花しているのですね。

佐藤:「ユニットを結成しよう」という話は、3人展が終わってすぐの頃から相談していたんです。新型コロナ禍の影響でちょうど春先の日程が空いたこともあって、「よし、やろう」という感じで、半ば勢いで決めました。せっかくなら興味のある方にじっくりと作品を見てもらいたいと思い、高槻市にある古民家ギャラリーで4月にユニットとしての初の個展を開催しました。ユニット名の 「HiroGeTai」は、佐藤紘子の「ひろ」と、たいぞうの「たい」 にちなんで私が名付けました。「笑顔を広げたい」とか、これからいろんなテーマで作品制作ができそうだな、という思いも込めています。

――今回の京都での作品展は新作を中心に出展されるということで、現在も制作活動の真っ最中だそうですね。ユニットとして合作で絵を描く時は、どのように制作を進めている のですか?

たいぞう:「構図やサイズをきっちり決めて制作に取り掛かる」というのではなくて、まずはゆるくテーマを決めて、とりあえず描いていく。制作の前にミーティングをしてある程度の方向性は相談しているんですが、実際描いていると全然違うものになることも(笑)。制作が進むにつれてイメージが膨らんでいくとお互いの感じ方も変化していくので、その変化も楽しみつつ仕上げていきます。

佐藤:たいぞうさんが先に描いたり、私が先だったり、作品によって順番が違うんです。例えば右のカバの絵は、私が先にカバを描いて、その次に背景をたいぞうさんが描きました。ユニットでの制作は「絵を通して問いかけて、描いてその問に答える」という、対話のような感じもありますね。私は現実にある形や色を描きたいタイプなんです。私の描いた現実的な色と、たいぞうさんの描く多様な色の背景が合わさって、「HiroGeTai」らしい立体的な奥行きを生んでいると思います。

《幸せ探しの旅》

――ハンケイ5mショップで「HiroGeTai」ならではのオリジナルな絵に出会えるのが本当に楽しみです。

たいぞう:僕は、好きなことを死ぬまでできるのが一番幸せやと思っているんですよ。人生って波があるじゃないですか、上がったり下がったり。そういうことも含めて自分の絵で表現して、絵を描くことをずっと楽しんでいきたいです。心が欠けている時って、辛いですよね。その心の欠けているところに僕たちの絵が寄り添って、見た人が少しでも楽になったらいいなと思います。

佐藤:「HiroGeTai」の作品は、美術館じゃなくて、自分の家に飾りたくなるような楽しい絵を目指しています。絵を見た人がちょっとでも何かを感じて、コミュニケーションや会話が生まれるきっかけになれたら嬉しいですね。京都でのユニット展で、絵を通した新しい出会いが生まれればいいなと思います。

佐藤 紘子
美術作家。2014年京都市立芸術大学大学院修士課程油画専攻修了。大阪・高槻のアトリエを拠点に、個展・グループ展で作品を発表、ワークショップを開催している。日々の生活の中から素材をすくい集め、絵画を制作。主なモチーフは、動物・こども・顔のついた食べ物。そのものの存在であったり、本能を描く。2013年神戸ビエンナーレペインティングアート展大賞受賞。
▽Twitter:https://twitter.com/Hiropiro1210/
▽Instagram:https://www.instagram.com/hirokosato1210/

たいぞう
吉本興業所属の芸人アーティスト。大阪NSC11期生。吉本新喜劇を経て、ABC「クイズ!紳助くん」をきっかけに、絵の才能が開花し、現在は芸人と画家の二足のわらじで活躍している。大阪府障がい者芸術・文化大使や観音寺市ふるさと応援大使を務める。
▽Twitter:https://twitter.com/taizougahaku
▽Instagram:https://www.instagram.com/taizouyoko

(2022年10月5日発行 ハンケイ5m vol.5掲載)


京都国際映画祭2022連携企画
佐藤紘子×たいぞう
コラボユニットHiroGeTai個展
【期間】2022年10月2日(日)〜31日(月)(定休日:火・木・土)
【時間】平日:10時〜15時 ※日曜:10時〜18時
【場所】ハンケイ5mショップ
(京都市下京区烏丸通り四条下ルからすま京都ホテル1F)
地下鉄烏丸線「四条駅」6番出口、阪急「烏丸駅」西出口23番すぐ
【入場料】無料

<会期中、ワークショップも開催予定!>
たいぞうワークショップ「enocoの塗り絵」&茶道体験
【日時】10月16日(日)11時〜12時
【定員】20名
【参加費】2500円
【場所】からすま京都ホテル3F山水の間

佐藤紘子ワークショップ「ポーチに描く」&茶道体験
【日時】10月14日(金)①11時〜 ②13時〜
10月30日(日)③11時〜 ④14時〜
【定員】各回定員3名
【参加費】2500円
【場所】ハンケイ5mショップ

ご予約は、ハンケイ5mショップ公式LINEまで。
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=859kouvs

▽音楽療法センターごっこ×HiroGeTaiコラボ作品も展示!
音楽療法センターごっこ(運営:『ハンケイ5m』発行の株式会社アドナース)に通う子どもたちがキャンバスに描いた2点の絵。そこに、佐藤鉱子さんとたいぞうさんが絵を描き加え、完成させたコラボ作品も展示されます。お楽しみに!


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▽ハンケイ5m公式インスタグラム⇨https://www.instagram.com/hankei5m_official/


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