〈ファッショナブルな生き方〉

「私にとっての道楽です。まだまだ新しい世界を増やしたい」

■演劇、図書館司書、平成女鉾。3つの世界で輝く女優・日詰千栄さん

年齢を重ねるなんて素敵だ。「自分らしく」ファッショナブルなあの人は、いつだって今がいちばん美しい季節の中を生きている。

京都を拠点に活躍する女優の日詰千栄さんも、そんなひとり。柔らかな佇まいの内側に、演劇への情熱と個性が満ちている。

■変わり続けることが「自分らしさ」

アニメの登場人物みたいな自分の声が、子どもの頃からコンプレックスだった。「思いっ切り大きな声、出したかったんです」。芝居のセリフなら誰に遠慮することなく、舞台の上で大きな声を出せる―。それが、女優を志した原点だ。学生演劇でのデビュー以来、数々の舞台を経験してきた日詰さん。女優、図書館司書、平成女鉾清音会(さやねかい)の囃子方という、多彩な3つの顔を持つ。


「私にとっての道楽です。3つの世界が影響し合って、発散し、気分転換できる。だから、全然ストレスがないんです」。変わり続けることが、日詰さんにとっての変わらない「自分らしさ」。異なる世界を柔らかにつなぐことで、未知なる面白い時間が生まれてくる。

■思い描いた「理想の女優」に

高校3年の時、難関のオーディションを突破して憧れの「劇団そとばこまち」に入団する。当時座長だった俳優の生瀬勝久さんの下、コメディ演劇に傾倒。時代の感覚を掴み、笑いに昇華させるギャグの本質を知る。NHK連続テレビ小説にも出演し、着実に女優としてキャリアを重ねる中で、ふと気づいた。「このままオーディションに追われ続ける生活では、自分の芸の幅が狭まる。自分というものがなくなるんじゃないか」。東京進出の誘いを断り、あえて京都に留まる道を選んだ。自分が思い描く女優としての理想を、ここで実現するために。

そして、今。日詰さんは演劇ユニット「はひふのか」をはじめ、客演としても活躍する。公演チケットは毎回、発売即完売という人気ぶり。笑いと涙で、演劇ファンを唸らせ続けている。「目の前のお客さんを楽しませ、感動させる。ああ、これが私の望んでいたことかも知れへんなって、最近思います」。

人生こそ一幕の芝居。等身大の喜怒哀楽をふわりと抱きしめ、日々を自由に楽しむことが演技に生きる。「最近はSNSとかで、人とつながるのが面白いんです。色んなつながりをミックスして、まだまだ新しい世界、増やしていきたいですね」。筋書きは自分次第。次の舞台でもきっと、ますます「自分らしく」輝くに違いない。



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