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「『継いでくれたから、死ぬまでこの味が食べられる』と、常連客に感謝されました」
妙心寺界隈のソウルフード、家族経営のラーメン店。 親爺 2代目 片桐和彦 ■親父の作るこのラーメンが大好き 老舗ラーメン店がひしめく京都にあって、一目置かれるのが妙心寺道にある親爺だ。今年で創業41年…
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「歳を重ねると、選択肢が絞られる。いい意味で、迷うことがなくなってきました」
明治43年創業の昆布の老舗。 おこぶ 北淸 4代目 北澤雅彦、北澤八重子 ■ルーツと自分が一致した 「以前、納屋町にあった昆布の店は販売店舗でした。今この南新地はかつての作業場、僕の生家なんです。22…
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「8席のカウンターの16個の目に見つめられている」
大阪仕込み、すっぽんが得意な和食店。 料理屋 しん谷 店主 新谷洋介 ■料理は「笑顔」で作るもの 兵庫県の川西市出身。料理上手な母親の影響で、作る側に興味を持つようになった。小学生の頃、母親の友人にお…
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「『昔と味が変わらないね』は、『味があがったね』と解釈しています」
時代に合わせて進化する、おでんの名店。 蛸長 店主 河合達也 ■大麻布割烹着に蝶ネクタイ、ペティで切り分けて。 角の建物の窓から橙色の明かりがぼうっと灯る。「蛸長」と染められた暖簾をあげて中に入ると、…
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「京都の和菓子は、品が大切。継ぐ人は、その感覚を理解してくれていればいい」
江戸時代に創業、銘菓「きぬた」で知られる和菓子店。 長久堂 社長 横山長尚 ■菓子と菓銘、価値は五分五分 あんでもなく、素材でもなく、その姿形でも、全体の味わいでもない。「京都の和菓子は、品(ひん)が…
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「カレー屋をやっているというよりは、バンドをやっている感じ」
独自路線でファンを増やすスパイスカレー屋。 ムジャラ オーナー 佐藤 圭介 ■カレーは「音」の集合体 店名のムジャラとは、敬愛する同郷の漫画家、水木しげる氏の画集のタイトルを拝借したもの。生まれて18…
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「楽しければ、しんどくてもがんばれる。『楽しい仕事しかしんとこ!』って思ってます」
手づくりを追求、家内制手工業を続けるみそ専門店。 加藤みそ 経営者 加藤昌嗣 ■蔵の菌にも助けられました。 西陣の一角、路上に響く小学生たちのはしゃぐ声は、昭和の頃から変わらない。路面に向かう工場の奥…