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「歳を重ねると、選択肢が絞られる。いい意味で、迷うことがなくなってきました」
明治43年創業の昆布の老舗。 おこぶ 北淸 4代目 北澤雅彦、北澤八重子 ■ルーツと自分が一致した 「以前、納屋町にあった昆布の店は販売店舗でした。今この南新地はかつての作業場、僕の生家なんです。22…
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「『昔と味が変わらないね』は、『味があがったね』と解釈しています」
時代に合わせて進化する、おでんの名店。 蛸長 店主 河合達也 ■大麻布割烹着に蝶ネクタイ、ペティで切り分けて。 角の建物の窓から橙色の明かりがぼうっと灯る。「蛸長」と染められた暖簾をあげて中に入ると、…
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京都の夏は「りんりん」なのだ。
■赤ちゃんから大人まで、優しさに包まれたいすべての人のために。 春から夏へ、季節は巡る。青葉がまぶしい5月、立夏を過ぎればいよいよ京都には恐ろしい夏が来る。京都の夏は、とにかく暑い。北、東、西の三方…
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「家族で作るこのスタイルが好きだから」
徳川綱吉の時代から続く粟餅店。 粟餅所 澤屋 十三代目 森藤哲良、森藤與八郎、森藤春美、森藤淳平 ■「おいしい」のために作りたてを 創業は5代将軍徳川綱吉の時代の天和2年、西暦1682年。北野天満宮の…
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「京都の和菓子は、品が大切。継ぐ人は、その感覚を理解してくれていればいい」
江戸時代に創業、銘菓「きぬた」で知られる和菓子店。 長久堂 社長 横山長尚 ■菓子と菓銘、価値は五分五分 あんでもなく、素材でもなく、その姿形でも、全体の味わいでもない。「京都の和菓子は、品(ひん)が…
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「一汁無菜」のススメ。
和食の基本は「一汁三菜」といわれる。汁物におかず三品という献立は、しかしなかなかに手間がかかる。ステイホームでゆとりが増えたと言っても、毎度の食事にそれだけ時間をかけるのは、正直しんどい…
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「楽しければ、しんどくてもがんばれる。『楽しい仕事しかしんとこ!』って思ってます」
手づくりを追求、家内制手工業を続けるみそ専門店。 加藤みそ 経営者 加藤昌嗣 ■蔵の菌にも助けられました。 西陣の一角、路上に響く小学生たちのはしゃぐ声は、昭和の頃から変わらない。路面に向かう工場の奥…