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「店は広げない。自然な応対でお客さんを迎えたいから」
みずみずしくソフト。地元で愛される老舗豆腐店。 北浦豆腐店 四代目 北浦裕二、北浦信男、北浦キヌコ ■当たり前のことを続けていく 理由は定かではないが、北野天満宮の周辺には昔から豆腐屋が多い。昔ながら…
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「家族で作るこのスタイルが好きだから」
徳川綱吉の時代から続く粟餅店。 粟餅所 澤屋 十三代目 森藤哲良、森藤與八郎、森藤春美、森藤淳平 ■「おいしい」のために作りたてを 創業は5代将軍徳川綱吉の時代の天和2年、西暦1682年。北野天満宮の…
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「京都の和菓子は、品が大切。継ぐ人は、その感覚を理解してくれていればいい」
江戸時代に創業、銘菓「きぬた」で知られる和菓子店。 長久堂 社長 横山長尚 ■菓子と菓銘、価値は五分五分 あんでもなく、素材でもなく、その姿形でも、全体の味わいでもない。「京都の和菓子は、品(ひん)が…
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「『昔と味が変わらないね』は、『味があがったね』と解釈しています」
時代に合わせて進化する、おでんの名店。 蛸長 店主 河合達也 ■大麻布割烹着に蝶ネクタイ、ペティで切り分けて。 角の建物の窓から橙色の明かりがぼうっと灯る。「蛸長」と染められた暖簾をあげて中に入ると、…
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「楽しければ、しんどくてもがんばれる。『楽しい仕事しかしんとこ!』って思ってます」
手づくりを追求、家内制手工業を続けるみそ専門店。 加藤みそ 経営者 加藤昌嗣 ■蔵の菌にも助けられました。 西陣の一角、路上に響く小学生たちのはしゃぐ声は、昭和の頃から変わらない。路面に向かう工場の奥…
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「目で見てもわからないほどの木肌の削ぎを、素手で感じています」
温故知新、職人の手仕事による技が冴える桶づくりの老舗。 おけ庄 林常二郎商店 山本大輔 ■100年前の桶から昔の職人仕事を感じる。 大和大路通をはさんで、恵比須神社の斜め向かいに、桶の製造販売を手掛け…
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「老舗のプレッシャーとか、 まったくないですね」
地域に根ざした仕出し料理屋兼食事処。 魚政 店主 今井隆充 ■人生、楽しまないと 「昔、六条通が『魚の棚(うおのたな)通』と呼ばれていたのは、魚屋がいっぱい並んでいたからで、うちもその1軒でした。当時…