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「非合理さえも伝統です。『京都の遺伝子』を守り続けたい」
山鉾巡行を支える、経験したからこその気配り。 長刀鉾保存会 稚児係 井尻浩行さん ◇ 祇園祭の山鉾で今も唯一、生稚児(いきちご)を乗せる長刀鉾。前祭巡行では「注連縄(しめなわ)切り」の役目を担い、23…
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「神輿をきっちり守って行くのが、自分たちの役目です」
祇園祭の神輿にかける、四代目の覚悟。 森本錺金具製作所 森本安之助さん ◇ 八坂神社の神事である祇園祭の精神をひときわ強く感じるのが、3基の神輿による神幸祭と還幸祭だ。金色の錺(かざり)を付けた3基の…
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「祇園祭の幕の中に、深い世界があります」
刺繍の技で、時代を超えて懸装品を蘇らせる 繍匠 樹田紅陽さん ◇ 祇園祭・前祭の山鉾巡行で最後尾を行く船鉾。船鉾を飾る懸装品の中でもとりわけ華やかな「水引」と呼ばれる幕を、卓越した刺繍の技で現代に蘇ら…
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「蔵の扉を閉める時は、心の底からほっとする瞬間です」
見えない部分まで美しく、 口伝えで伝承する山建ての技と心 北観音山作事方 笠原清美さん、上田耕太郎さん 江戸時代に建てられた蔵を移築したという北観音山の収蔵庫。扉を引き開けると、ひっそりとした薄明かり…
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【北観音山】青々とした真松を掲げ、後祭の山鉾巡行を行く
青々と松葉を茂らす真松を掲げる北観音山。古くは南観音山と年ごとに交代で山を出し、車などの部材も融通し合っていた。鉾町である六角町(中京区新町通六角下ル)はかつて三井家と伊藤家(松坂屋)という富豪があり…
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【船鉾】前祭の山鉾巡行の最後尾、「見送り」にあふれる気品
豪華絢爛な懸装品に飾られ、山鉾巡行(前祭)では最後尾を務める船鉾。2017年に天水引、19年は艫櫓(ともやぐら)の下水引を復元新調し、真新しい刺繍が鉾を彩る。麒麟や鳳凰の刺繍は内側に和紙や綿を重ねて立…
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【神輿】氏子や担ぎ手が受け継ぐ思いひとつに
中御座、東御座、西御座の3基の神輿を、それぞれ三若、四若、錦の神輿会が担っている。例年は、京都の町を華やかな山鉾が進む7月17日の前祭巡行が済むと、午後4時から八坂神社で神幸祭が執り行われる。その後、…