きょうの挑戦者たち

全従業員の情熱が挑戦への原動力。化学のちからで、ワクワクする未来を目指す!

三洋化成工業株式会社
代表取締役社長兼執行役員社長
樋口章憲さん

1959年三重県生まれ。東京理科大学大学院工学研究科修了後、1984年入社。同年10月サンノプコ㈱出向の後、同社社長に。2020年三洋化成代表取締役兼執行役員副社長。2021年6月から現職。

「きょうの挑戦者たち」最終回にご登場いただくのは三洋化成代表取締役社長 樋口章憲さん。「全従業員が主役となり、化学のちからでイノベーションを起こす!」との情熱あふれるお話をお聞きしました。

■110年以上、暮らしを支える京都の機能化学品メーカーとして

三洋化成工業株式会社は東福寺駅の北側に本社があります。創業は1949年ですが、前身である多田石鹸油脂製造所を含めると110年以上の歴史があります。私たちは「機能化学品メーカー」として、みなさまの暮らしに役立つ機能化学製品を一貫して生み出してきました。
機能化学品とは、「はたらき」、すなわち機能や性能を付与した化学品のこと。そのはたらきこそが、私たちが社会に提供する付加価値です。
「もっときれいに」「もっと安全に」「もっと地球にやさしく」と願いながら、お客さまそしてその先にある社会の要望に耳を傾け、社是「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」のもと、BtoB企業として解決策(ソリューション)を提供し続けてきました。このようにして生み出した私たちの製品群は、約3000種類にも上ります。
皮膚への刺激が少ないシャンプー原料をはじめ私たちのつくる機能化学品は、化粧品、自動車、風力発電用の風車、パソコン、プラスチック、飲み薬など、非常に多くの場面で活躍し、皆さまの暮らしを下支えしています。

■情熱とスピードで結果を出していく

三洋化成は、DEI※の推進や働き方改革などにより、多様な人材が誇りや働きがいを感じながら、自分らしくいきいきと活躍できる環境を整えています。そして、従業員一人ひとりが主役となって輝き、達成感を味わえる企業を目指しています。
あらゆる挑戦において原動力となるのが従業員個人の情熱です。全従業員が主体性を持って最大限の能力を発揮することで、新たな付加価値を社会に生み出す。こうして、三洋化成はワクワクする未来が拓けると信じています。実はいま、京都府や京都市と連携し、京都伝統産業が抱える課題の化学的解決に挑むプロジェクトに携わっています。これはまさに従業員たちの個人の情熱によって始まりました。社会的にも意義深いものです。
私たちは「化学のちからで化学の枠を越えてイノベーションを起こす」を合言葉に、「カーボンニュートラルの達成」と「QOL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)向上」に貢献していきます。これからの時代を考える上で、この2つは欠かせません。様々な課題と向き合い、私たちらしい価値の提供を行っていきます。
成功のカギを握るのは「スピード」です。お客さまからは欲しいものを必要なタイミングで提供することが求められています。
1日でも早くお役に立つために、お客さまが満足するラインまで到達できればスタートすればいい。まずは事業を立ち上げて、そのあとお客さまの要望を取り入れながら、さらによい形にしていけばいいのです。小さくても構わないから「すぐに」結果を出す。そのためには「自前主義」にこだわりすぎず、足りない部分を補うべく異業種と協業することも重要です。いま、若手社員が中心となって「ペプチド農業」や「匂いセンサー」といった新分野でのプロジェクトが進んでいます。新分野であっても5年以内、長くても10年以内には結果を出したいと思っています。
すべてのステークホルダーの皆さんがワクワクする未来、さらには持続可能な社会の実現に向けて、私たち三洋化成はOne Teamとなり、情熱とスピード感をもって挑戦し続けます。

※ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)&インクルージョン(受容)

(2023年3月10日発行ハンケイ500m vol.72掲載)

三洋化成の挑戦を知る3つのポイント

1_化学のちからで化学の枠を越える
化学のちからは無限ととらえる三洋化成。化学のちからで化学の枠を越えたイノベーションに取り組む。たとえば宮崎県新富町と協力し、化学肥料や農薬の低減と高付加価値作物の生産につながる「ペプチド農業」の開発や、匂いの可視化で生活の質を高める「匂いセンサー」の事業化を目指すなど、三洋化成の技術・ノウハウと外部の知見とのハイブリッドで新ビジネスを創出中だ。

2_カーボンニュートラルの達成とQOL向上に貢献
2030年のありたい姿に向けた経営方針「WakuWaku Explosion 2030」において、カーボンニュートラルの達成とQOL向上への貢献を掲げて取り組みを推進している。CO2削減と回収・利用およびエネルギーマネジメントを進めるとともに、QOL向上を実現する新製品開発やヘルス・メディカルケアおよびライフケア事業を展開。持続可能な社会の実現に貢献していく。

3_ワクワクする未来に向けてOneTeamで取り組む
「OneTeam」という言葉には、営業・研究・生産・コーポレートといった部署の枠を越えて、メンバーが一丸となって考え、挑戦していく意志が込められている。実現のためには、会社の目指すゴールへの道すじを、各部署そして個人が現場レベルまで落とし込んで実行することが不可欠だ。挑戦を繰り返して、グローバルでユニークな高収益企業へ飛躍し、ワクワクする未来の実現を目指していく。

 

<共同編集長コラム>
従業員全員の多様なワクワクする気持ちが根底にあるからこそ、目標は達成できる。この理念のもと三洋化成は、「ペプチド農業」をはじめ多くの持続可能な事業を研究開発されています。失敗を恐れることなく、まずは小さなスタートを切る。その姿勢はスタートアップ企業のような、未来の創造に向けた意気込みを感じます。機能化学品を通して、社会のあらゆる場面に広く、深く浸透しながら、これからも暮らしや産業のさまざまな分野を下支えしようと奮闘する三洋化成は、まさに京都が誇る挑戦者なのだと思います。(円城新子)

■三洋化成とは

京都を代表する機能化学品メーカー。生活・健康、石油・輸送機、プラスチック、繊維、情報・電気電子、環境・住設などの産業分野で幅広く事業を展開。1949年、三洋油脂工業株式会社を創立、1963年から現社名。東証プライム市場上場。連結従業員数2106名、米国、中国、韓国、台湾、タイ、マレーシアに事業拠点をもつ(2022年12月31日現在)。1907年に創立した前身の多田石鹸油脂製造所時代を含めて、京都で100年以上の企業として「京の老舗」にも選ばれている。

三洋化成公式サイト

三洋化成公式ツイッター

三洋化成工業株式会社

京都市東山区一橋野本町11-1