ファッショナブルな生き方

「求められるのは、自分のインスピレーションを活かした表現力。そんなモデル業は何よりも楽しくて、天職だと思います」

モデル・村上美保さん

「自分らしく」ファッショナブルなあの人は、いつだって輝くような笑顔に包まれている。人生のステージが変化する中でも、挑戦することをあきらめない。そうした日々を積み重ねて、「自分自身の表現」と呼べるものが形作られていく。
18歳でデビューして以降、約20年にわたり数々の舞台や現場で活躍しているモデルの村上美保さん。ファッションブランド『CAWAII』所属モデル「みぽりん」の愛称で、トレンド感を取り入れた四季折々の着こなしを提案している。 「自分自身がアラフォーと言われる世代になって、色々なものが変わってくるなと感じています」という村上さんは、小学生の男の子を持つ子育て世代の母でもある。
「子どもとの関わりの中でも新しい発見がたくさん! 今まで思いもしなかったことに興味が出てきたり、そんな自分自身の変化も楽しいですね」。
ポジティブに、アクティブに、人生をありのまま愛おしむ。透明感あふれる彼女の柔らかな雰囲気は、多くのファンを魅了するミューズ(女神)のような存在だ。

四国の徳島県に生まれ、山と川に囲まれた土地で育った村上さん。ふるさとの記憶は、一面が緑の景色だという。自然豊かな環境の中で「男子と一緒に外でサッカーして、時には喧嘩もするくらい活発な女の子でした」。高校卒業後は大阪にある観光系の専門学校へ進学し、親元を離れて一人暮らしを始めた。
18歳の時、友人と待ち合わせしていた梅田のHEP FIVE前で「すごく怪しい感じの、スーツ姿の男性」に声をかけられる。芸能事務所のスカウトだと名乗るその男性は「親御さんにも、一度、詳しい話を聞いていただけたら」と言う。急遽、徳島の母親に来てもらい、一緒に説明を聞き、スカウトを受けることに決めた。「モデル・村上美保」としての人生の始まりだ。

伊丹市のPRモデル『だし姫』をしていた時(左)と、映画『武士の家計簿』に出演した時(右上)、ウェザーニュースでお天気キャスターをしていた時(右下)

「田舎には仕事もないし、無理して帰ってくることないよ」。そんな母親の言葉もあって、村上さんは専門学校卒業後も大阪市内のホテルのフロントで働きながら、モデルや芸能関係の仕事を続けた。22歳でテレビの天気予報キャスターのオーディションに合格。これをきっかけに仕事の幅も広がり、テレビやラジオのリポーターをはじめ、CM出演、撮影モデルと数々の仕事で活躍するようになる。中でも、自分自身でイメージを解釈して、多彩に表現するモデルの仕事の奥深さに魅せられた。

「モデルは華やかに見えて、とにかく体力勝負のハードな仕事。でも、常に自分自身のインスピレーションで表現すること、演じることを求められる撮影現場は、自分にとって何よりも楽しかったんです」と振り返る。

「モデルこそ、自分の天職」と感じていた村上さんだったが、二十代後半になり、結婚・出産と前後して事務所を辞めることを決断し、モデルの仕事も休止する。「マタニティブルーと産後うつをどちらも経験して、精神的にしんどい時が続きました。子どもが1歳になるくらいの頃、育児と家事に忙殺される中で、ふと『もう一度、社会とつながりたい』と思ったんです」。
母親としての自分と、モデルとして働く自分。どちらか一方だけを選ぶのではなく、どちらも両立する道はないのだろうか。そんなことを考えながら、インターネットでモデルの仕事の求人情報を調べている時に出会ったのが、CAWAIIの前身のアパレルブランドだった。

村上さんは29歳で再び、モデルとしての仕事を再開することに決めた。1歳になった長男の子育てに奮闘しつつ、当初はCAWAIIの時給制社員(いわゆるパート)として1カ月に1、2回のペースで撮影に臨んだ。翌年からは月給制社員(いわゆる正社員)に契約変更し、フルタイムで働くようになる。幼稚園の送迎や急な体調不良による仕事の変更など、子育て中だからこそのトラブルも、周囲のメンバーの柔軟な対応と支えによって乗り越えてきた。
モデルとして再スタートしてから、今年で7年目。20代、30代を経て37歳になった今、ブランドが求める女性像を自分が表現することの意味を改めて考えている。

「今の私がいるのは、CAWAIIのみんながいるから。同じように子育て世代のスタッフも多いんです。そんな周囲の支えの中で経験を重ねて、CAWAIIのファンと年齢が近くなってきたからこそ、ブランドを一層身近に感じてもらえるんじゃないかなと思います。そういう意味では、今の私がちょうどいいのかな」。
モデルの仕事を再開した時に1歳だった長男は、現在は小学1年生。母親とモデルの仕事のどちらも楽しみながら、日々の成長を見つめる中で「子ども自身が興味のあることを、もっともっと伸ばしていけるような場があれば」と感じることが増えていったという。
「長男は幼稚園の時に発達障害の診断を受けて、小学校では通常学級と特別支援学級の両方に通っています。当初は『障害』という言葉の衝撃が強すぎて、それ以外のことが考えられなくなりました」。
村上さんはその後、発達障害について調べたり、シンポジウムやイベントへの参加を通して理解を深めていった。
そうして長男との関わりや、発達障害がある子どもへの支援のあり方を知る中で、「障害の有無だけじゃなく、『しんどいな』という思いを抱えた人や子どもたちと一緒になって、さまざまな経験を共有できる『学校』のような場所を作りたい、と考えるようになったんです。まだどんな形になるかわかりませんが、少しずつ形にしていきたいですね」と話す。

「自分にとって何よりも楽しい」と思えるモデルの仕事を通して、自分自身を表現し続けてきた村上さん。誰よりも「楽しい」という気持ちを信じることが、新しい世界を切り開く力になると知っている。美しいミューズの微笑みは、母なる慈愛に満ちている。

村上美保さんのInstagramはこちら⇨
https://instagram.com/cawaii_miporin?igshid=YmMyMTA2M2Y=

 


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