きょうの挑戦者たち

環境に負荷をかけないライフスタイルを日本に根付かせるという挑戦。次世代が安心して暮らせる社会づくりに貢献。

■株式会社 斗々屋(ととや)
2019年、東京・国分寺で量り売り専門店としてスタート。代表取締役で創業者の梅田温子さんは廃棄物ゼロのスーパーを目指し、2021年7月、京都御所東側の河原町通りに面した好立地に斗々屋京都本店をオープンした。開店から、梅田さんの理念に賛同する人が全国から集まる。斗々屋の運営も、梅田さんと志をともにするメンバーで行われている。
写真は京都本店店長の關(せき)つぐみさん。

店内に陳列されたオーガニック野菜などの生鮮食品や乾物、冷蔵ケースに並ぶ種類豊富なお惣菜、調味料。実はこれらは量り売りだ。全国でも珍しい形式のスーパーが京都にオープンした。その名は斗々屋京都本店だ。
「食品ロスやごみを極力出さない小売業を目指しています。普通のスーパーは食品廃棄ありきの経営ですが、斗々屋では売れ残った食材は保存食や料理に活用します」と語るのは店長の關つぐみさん。

売れ残った野菜や果物は、食品ロスをなくすため、塩漬けや酢漬けにしてお惣菜に活用する。

斗々屋は初となるスーパーを構える土地として京都を選んだ。その理由は、東京と比べて地価が値ごろなこと、京都市は環境への取り組みが積極的であり連携が期待できること、大阪出身の社長の人脈など、さまざまな条件が揃っていたことによる。
そして実際に開店してみると、京都は小規模で個性的な商店が昔から街にあり、乾物屋など1970年ごろの量り売りの記憶が根強く残る土地柄でもあった。古くて新しい売り方は受け入れられ、数週間すると容器持参で買い物に来る近所の人も現れた。

冷蔵ケースにはお稲荷さんや厚焼き卵、大豆ミートの南蛮漬けなどが並ぶ。容器を持ってない人のためには、レンタルのガラス瓶やステンレス箱も用意されている。容器代は返却すると返金される。容器の購入も可能。容器包装ごみの減量に貢献できる量り売りを暮らしに取り入れてみませんか?

斗々屋の目標は、無駄の多い暮らしを見つめ直し、環境に負荷をかけないライフスタイルを日本に根付かせること。だから斗々屋のビジネスモデルを社外に伝え、ノウハウを伝える講座を開き、理解者や協力者を全国各地に増やす活動にも積極的だ。「現在は食品が中心ですが、今後はシャンプーや石けんなども取り扱う予定です」と關店長。
協力者と共に次世代が安心して暮らせる持続可能な社会をつくるために。斗々屋の挑戦はまだ始まったばかりだ。

斗々屋 京都本店
▽京都市上京区出水町252 大澤事務所本社ビル 1F
▽営業時間:11時〜20時
▽定休:毎月最後の水曜日
最寄りバス停は「河原町丸太町」
(2022年3月11日発行ハンケイ500m vol.66掲載)

<共同編集長コラム>
地球上の「誰一人取り残さない」ことを願って、2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標「SDGs」は近年、広く知られるようになりました。持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として、2030年までに達成すべき17のゴールと169のターゲットから構成されています。その中の一つが、「つくる責任つかう責任」。持続可能な暮らし方を実現するには、生産者と消費者がともに取り組むことが欠かせません。量り売り専門のスーパーとして、理念に共感する仲間とともに「環境に負荷をかけないライフスタイル」を目指す斗々屋。その取り組みは、京都から日本全国へ、そして世界につながる大きなチャレンジです。(龍太郎)

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私も挑戦者です

小売業を通じ、環境に負荷をかけないライフスタイルを日本に根付かせることに挑戦する斗々屋と同様に、三洋化成は独自の技術で社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現に挑戦しています。

三洋化成工業株式会社

京都市東山区一橋野本町11-1