ファッショナブルな生き方

「舞台の景色が一瞬で変わる。そんな音が好き」

日詰千栄さんのお気に入り:
雑貨屋でもらったバードコール

「自分らしく」ファッショナブルなあの人は、いつだって自分を表現することが大好き。自分の感性にぴったり合う「お気に入り」のアイテムを手にすれば、個性はますます輝き出す。

演劇、朗読、落語とさまざまな舞台で活躍する日詰千栄さんのお気に入りは、何やら不思議な雰囲気の木片。手のひらサイズの四角い木に、金属のネジがひとつ差し込まれているこれ、実は「バードコール」という雑貨。ネジと木を擦り合わせると、鳥のさえずりのような澄んだ音を響かせる。「朗読などで『チチチチチ…』と鳥の声を登場させると、途端にのどかな雰囲気に包まれます」と笑う。

雑貨屋の店先に「ご自由にお持ち帰りください」と山積みされていたという、手作りのバードコール。「初めは何に使うものかも知らなかったんですが、不思議な形が気に入って。触っているうち、段々と音がまろやかになってきたような」。使い始めて5年ほどが経ち、表現できる音の幅も広がってきた。

「焼酎亭ワイン」の名で落語家としても活動する日詰さん。高座に上がる時は扇子と手ぬぐいに加え、バードコールなどの小道具も駆使して、独創的な話芸を繰り広げる。「舞台の景色が一瞬で変わるような音が好き。最初は使い道が分からなくても、次第に景色が見えてくるんです」と話す。

空き缶とヘアピンで出来た楽器「カリンバ」や、小さな「おりん」、友人から贈られたカエルの形の木製楽器、小鳥をかたどったプラスチック製の水笛など、気がつくと身の回りに、小さな楽器や音の出るおもちゃが増えているという。

「地味で、ちょっとヘン。全然映(ば)えないところも含めて、私には全部が可愛いんです」と話す日詰さん。「虫めづる姫君」ならぬ「小鳥めづる姫君」さながらの型破りさで、新しいエンターテイメントの境地を歩んでいる。

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