〈縁の下の力もち〉

文学作品の「朗読でんわ劇場」で、人と人とのつながりを生み、心に潤いを届ける。

■たきいみき さん
1974年大阪生まれ。大阪芸術大学舞台芸術学科卒業。タレント活動を経て舞台女優に。東京、静岡での舞台活動を経て、現在京都在住。コロナ禍で活動が制限される中、京都市文化芸術活動緊急奨励金を活用した電話による朗読活動「朗読でんわ劇場」を実施。「朗読でんわ劇場」から派生した「朗読音楽劇」の公演を行うなど、様々な活動を行う。詳細はこちらへ⇒https://mikitakii.com/

(撮影協力:京都市福祉ボランティアセンター)

生きる上で不要不急とされがちな演劇などの文化活動。しかし同時に、私たちの心を潤し、支えてくれるものでもある。歴史的に芸術・文化の中心であった京都で、京都市独自の文化芸術活動への支援策を受け夏に実施された「朗読でんわ劇場」が静かな反響を呼んだ。

「朗読でんわ劇場」とは、聞き手が指定する作品を、1回30分間、プロの舞台俳優たきいみきさんが電話で朗読する活動だ。予約制で、7~8月の期間中に子どもからお年寄りまで約40人に寄り添い、語り掛けた。

「電話の向こうの気配を探り、朗読を呼応させる。演者とお客さんがつながる感覚があるのは、演劇と同じです」。

たきいさんは「電話は、お年を召した方でも抵抗なく使える身近なもの。それがいいんです」と話す。指定を受けた作品を読み込んでから朗読に臨む。「自分が他者を支えているつもりが、逆に俳優としての自分が支えられた」と振り返る。

また、大阪出身、東京や静岡を経て京都に移り住んだたきいさんは、活動を通じて「京都らしさ」を色濃く感じると話す。リクエスト作品には通好みの戯曲などもあるほか、『五山送り火』の日に、亡くなった家族に朗読を贈りたいという方もいたという。

「季節との付き合い方が暮らしに溶け込んでいる。京都人の感性の豊かさを感じます」。

人に会えない時代に、つながりを生み、心に潤いを届ける。たきいさんの朗読は、電話越しに相手の心を支える「縁の下の力もち」だ。

(2020年11月10日発行ハンケイ500m vol.58掲載)

<共同編集長コラム>

「文化」という言葉は、もともと「耕す」という意味のラテン語を起源に持つといいます。土地を耕し、種をまいて作物を育て、収穫すること。それは、わたしたちの生命にとって必要不可欠な営みです。同じように、心動かす経験をもたらしてくれる文化に触れることは、精神の土壌を耕し、感性の豊かさを育むために不可欠な営みだと思います。肉声で語る「朗読でんわ劇場」を通して、人と人とが「つながる感覚」を生み出しているたきいみきさん。今、コロナ禍という困難な時代にあって、たきいさんのように心を耕し続けることこそ、多様な文化を守り育てることだと実感します。(龍太郎)

私も力もちです!

電話での朗読によって人と人とのつながりを生み、心に潤いを届けるたきいみきさんと同様、三洋化成は機能性化学品を通じて、暮らしや産業のさまざまな分野を支えています。

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