〈京都の空に魅せられて〉

清水三雄さんの「子どもたちにヘリコプターを知ってほしい」、その理由に迫る

「一人でも多くの子どもたちに、空を飛ぶ楽しさを知ってほしい」と熱く語るのは実業家の清水三雄さんだ。その背景には災害支援で社会の役に立ちたいという強い思いがある。

バタバタバタとプロペラ音とともに空から近づいてくる影。そして大風を巻き起こして、スマートにHマークの真上に着陸するその姿は、大きな鉄製のトンボを思わせる。
伏見にある「JPD京都ヘリポート」、その竣工は2015年。京都の実業家清水三雄さんの、空への思いが結実したヘリポート場だ。

清水さんは、社会的な意義から「京都にヘリポートが必要だ」と考え、今でもラジオ番組をはじめ、さまざまなメディアを通じて発信し続けている。清水さんの「空から社会の役に立つ」、そのねらいを聞いた。

—今日はKBS京都ラジオの60分特別番組「清水三雄の挑戦は続く!スペシャル〜いまヘリコプターができること」(2020年9月27日放送)の収録日でもあります。抽選で選ばれたリスナーの方々に試乗をしてもらうなど、清水さんはヘリコプターにまつわる情報発信に積極的なのは、なぜですか?

「はい。大きく2つ理由があります。第一に、子どもたちに、空を飛ぶ楽しさを知ってもらって、ヘリコプターのパイロットを増やしていきたいのです。第二に、一人でも多くの方々にヘリコプターという乗り物に親しんでもらいたいからです」。

KBS京都ラジオの60分特別番組「清水三雄の挑戦は続く!スペシャル〜いまヘリコプターができること」(2020年9月27日放送)の公開収録イベントの様子。

—なぜ、ヘリコプターのパイロットを増やしていく必要があるのでしょうか?

「ヘリコプターは災害発生時に活躍するからです。例えば東日本大震災の時、道路が寸断されて鉄道が動かなくなったときに、ヘリコプターが物資を運びました。これから、京都近郊で大地震が起こったときに、その場所が孤立してしまう可能性がある。崖崩れなどで車が入ることができなくなっても、ヘリコプターがあれば医師を連れていける。物資を届けることができる。ヘリコプターが命を救い得るのです」

—近年は水害なども増えていますね。

2018年の岡山県倉敷市で発生した浸水では、屋根の上に逃げた人がヘリコプターに救助されましたことは記憶に新しいでしょう。それだけではなく、山や海での捜索にもヘリコプターは活躍します。ヘリコプターを使って、あらかじめ発信機をもった山岳遭難者を空から探して警察や消防に知らせる会員制捜索サービスもあります」。

—ヘリコプターは、災害の時に役に立つのですね。

「はい。去る2015年に、JPD京都へリポートと京都市は、大規模災害発生時における消防防災ヘリコプターの離着陸場所と、支援物資などの一時保管場所を確保するため、JPD京都へリポートと関連施設が使用できるように、協定を締結しました。また、民間所有のヘリコプターが災害時に活躍するための認定NPO法人全日本ヘリコプター協議会は、私たちの仲間です。
しかし、災害救助活動を続けていくには、法的な整備も財源も必要です。さらに、技術をもったパイロットが要ります」

—パイロットの育成ですね。そこで、子どもたちに空を飛ぶ楽しさを知ってほしい、という清水さんの広報活動につながるのですね。

「はい。ヘリコプターに試乗してくれた子どもたちの全員は無理でも、そのうち何人かが空を自由自在に飛べる喜びに気づいて、パイロットになりたいと思ってくれたら。災害支援で社会の役に立つヘリコプターが増えることになると願っているのです」

公開収録の前には、抽選で選ばれたラジオリスナーを対象に、ヘリコプターの試乗体験会も行われた。

—また、第二の理由として、多くの人たちにヘリコプターの魅力を知ってほしいからとのこと。なぜ、親しんでほしいのでしょうか?

「はい。災害支援でヘリコプターを飛ばすには財源が要りますが、ボランティアだけでまかなうわけにはいきません。そこで私たちはヘリコプターを使った遊覧など、いろんなサービスを展開して、その利益の一部を、災害時の支援活動に充てています」

—なるほど、災害時の支援活動と遊覧飛行といったヘリコプターを楽しむことは、実は密接に関連しているのですね。

「はい。それに加えて、遊覧飛行は、パイロットの操縦技術を維持向上させるためにも役立っているんです。どこに電線がある、風向きはどう変わるかなど、京都の地形を理解し、日頃のフライトで目的地に離発着できる操縦技術を高める訓練になるのです。

同時に、またヘリに乗る側も、ヘリコプターに乗る際の注意事項などを、経験することができる長所があります。そして、人に伝えることができます。実は、なにもないときから遊覧飛行を行なっておくことは、いざ災害が起こった非常事態のための備えにつながっているのです」

—パイロットの方にとって、そして利用する私たちの双方にとって、遊覧飛行がそんな意義があるとは知りませんでした。清水さんの「空から社会の役に立つ」という思いの真剣さがよくわかりました。ありがとうございました。

JPD京都へリポート⇒https://jpd-khp.com/