祇園祭を支える人々の想い

【神輿】氏子や担ぎ手が受け継ぐ思いひとつに

中御座、東御座、西御座の3基の神輿を、それぞれ三若、四若、錦の神輿会が担っている。例年は、京都の町を華やかな山鉾が進む717日の前祭巡行が済むと、午後4時から八坂神社で神幸祭が執り行われる。その後、轅(ながえ)を付けた3基の神輿は八坂神社舞殿を出て、午後6時に祇園石段下に集まって出発式に臨む。

石段下に集まった3基の神輿(2016年7月17日撮影)

ここで、神輿を高くかかげる「差し上げ」、前後に揺する「もみ」を各神輿が豪快に3度行う。勇ましい担ぎ手の熱気がみなぎる中、神輿を彩る錺が触れ合う音が涼やかに響く。錺金具の修復を手掛ける森本安之助さんは「祭に関わる人たち、それぞれの思いが神輿でひとつになる。氏子や担ぎ手によって代々受け継がれてきた八坂神社の神輿は、特別なものです」と語る。
(2020年7月10日発行 ハンケイ500m vol.56掲載)

3基の神輿の「差し回し」。八坂神社石段下を担ぎ手の気勢と熱気が包む(2019年7月17日撮影)
【動画で楽しむ祇園祭】(京都新聞動画ライブラリ)
▽祇園祭・神幸祭(2019年7月17日)

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